異世界

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思慮(しりょ)の浅さに加えた日頃の運動不足の賜物(たまもの)ではあるのだが、正直 しんどい。 などと考えても後の木阿弥(もくあみ)、こうなってしまった以上は覚悟を決めて歩くしかないのだ。 そうして重たい荷物を抱えてえっちらおっちら汗を流しながら歩いて行くと、ようやく家の近くの橋までたどり着いた。 これでようやっと一息ついた。この橋を越えれば自宅まで5分と掛からない。 そう思った瞬間に気がついた。この橋は小さな川を渡る為の橋で、その長さは10メートルない程度の小さなコンクリートの橋だ。 その中程で欄干(らんかん)にもたれ掛かりながらスマホの画面を眺めている人影があった。 鍔広の帽子を顔が隠れるほど深くかぶり。無地のTシャツにデニムのジーパンという、かなりシンプルな服装。 いや、シンプルを通り越してもう質素と言いたくなるような服装なのだが。 全体的に細く体型がモデルのような彼女には、何故か着こなしていると言う印象しか受けなかった。 待ち合わせでもしているのかと思ったが、眺めていてなんとなくではあるが違う気がしてきた。 待っているだけかと思ったら急に歩き出して橋の向こうのコンビニの場所を確認したり、そのまま近場の家の表札を順に見て回ったりとしているところを見ると。 どうやら待ち合わせではなく、誰かの家を探しているのでは?という感想に変わってきた。 熱心にスマホを操作をしているところを見るとどうやら当たりだろう。 さて、それがわかったところでどうしたものだろう? 思わず首を捻ってしまった。
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