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怪物は僕が縛られている台のすぐ横まで来ると拘束具に手をかけて、そのまま鎖をほどき始めた。
大きく武骨な腕だったので、正直 握り潰されるかと思ったが。怪物は予想以上に器用な手つきで拘束を解いていく。
そして4つ全ての拘束が解かれた時、一瞬 解放されるのかと思った。が、そんな考えはそもそも甘かった。
拘束を解かれた瞬間、僕は怪物の丸太のような腕で小枝のように広い上げられた。
「くそ、はっ、離せぇ!」
手足をバタつかせて抵抗するが、怪物の子供の腕程に太い指はピクリとも動かない。
「∠⊥√∮∬Å」
そして白髪の男から指示が出されたのか、怪物は僕を掴んだままノシノシと部屋を出た。
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そして怪物はしばらく僕を掴んだまま階段を降りて地下へと向かっていき、階段を降りきるとそこは8畳程の殺風景な石造りの部屋。
中には生活用品のような物は一切なく。あるのは積もった埃とそれに付随するカビの臭い、それと微かに錆びた鉄のような匂いも混じっている。
いや、部屋が暗くてよく見えなかったが、部屋の奥に分厚い鉄の扉が見える。
怪物はそのまま扉の方へ歩いて行く。
そして
「うわぁ!?」
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