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正直、怪しい事 この上ないが。
現状、あの門へ向かう以外に選択肢がない。
とりあえず、恐る恐るではあるがゆっくりと慎重に門の方へと近づいていく。
門の横にへばりつくように身を寄せて顔だけを出して中を覗き見る。
やはり中の様子はよくわからない、が。
じっと門の中に視線を集中していると、なんとなくではあるが中で何かが動いた気がした。
そして、それを確かめようと更に身をのり出して中を覗き込んだ。
それが間違いだった。
「GugAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」
暗闇から何か巨大な影が咆哮と共に飛び出して来て、門の横から飛び出していた左肩に激痛が走った。
「っっぐぅ!!」
痛みと衝撃でろくに声を出す事が出来ず、ただ唸ったような声が漏れるだけ。
そのまま左肩を中心にして右へ左へと振り回される。
状況がめまぐるしく変化し過ぎて頭の理解が追い付かない。だが、身体は左肩に走る痛みに反応して動いた。
振り回せる勢いで外側へと流れる右腕を無理矢理動かして、左肩にくらいついたそれに手を伸ばす。
「GyuOOOOOOOOOOOOOOO!!」
右手が何かに触れたと思った瞬間、肩にくらいついていた何かから解き放たれ。次の瞬間、身体は宙を舞っていた。
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