第1回心の処方箋 -カウンセリングルーム-

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「今何か困っていることはある?」 彼は静かに言った。 「家族と…意思疎通ができてないかもしれません。」 私は少し俯きながら言った。 家族と意思疎通できないというか、話をするきっかけを与えていないのは私だ。私が2階の自室に籠もって出て来ないのだ。 「家族と何かあったの?」 家族と何かあったというなら、厳密にいうと小学校4年生くらいまで遡ってしまう事になる。 とりあえず今回は、私は要点だけを話す事にした。 早い話がストレスを溜め込んだ私が、買い物依存症になってしまい、買い物をする事でストレス発散を行うようになってしまった。そして自分で支払える金額を超えて買い物を続け、親に肩代わりをしてもらっているのが現状だ、という事だ。 私にはうつ病と依存症の二つの病気がある。 このうつ病と依存症は本当に厄介で、ストレスを発散しようとするとお金がかかるし、ストレスを溜め込めばうつ病が悪化するし、正直投薬治療ではうつ病にしか効果が無い。 最初は仕事が原因だったが、何年も心療内科に通っているのに症状は酷くなるばかりだった。 第2の原因は身近にあったのに、気付くのに時間がかかりすぎた。それが親の過干渉だった。 私の結婚の話を破談にした親だ。 そして1度たりとも謝らない親だ。 私は親を許さない。
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