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心の音は
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人は誰しも、命に長さがある。私は15cm。
それが時間じゃなくて距離なのは、私が機械に生かされているから。
小学生の頃、よく寝る子だと言われた。私自身、ぼおっとすることが多くて、体も弱いんだと思う。だけど、あまりに他の子と疲れ方が違っていて――お医者さんに診てもらったら、洞房結節とかいうモノが働いてないと告げられた。
訳も分からないまま家族の皆は泣いて、私もつられて悲しくなった。
どうやら私の心臓は、なまけものらしい。
無理やり動かさないといけないほど、お寝坊さんだそうだ。
『日暈奈央さん』
そうやってお医者さんに呼ばれる。診療室で何度も丁寧に説明されたけれど、まるで他人事のように頭には入らなかった。
怖くない、心配ないよ――両親が呪文みたいに唱え続けている。それが逆に不安を煽るようで、病院のベッドだと眠り難い。
中学校に上がる前、手術をした。睡眠不足だったのも手伝って、麻酔が驚くほど効く。ぷつんと意識が無くなって、起きたら病室で横になっていた。真夜中に目を開いたのは、四年経った今でも覚えてる。
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