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四角く切り取られた空は、雲ひとつない快晴。
窓は少しだけ開けられていて、そこから吹き込む微かな風に真っ白なカーテンがふわりふわりと揺れている。
鮮やか過ぎる青い空と、太陽の光を反射してきらきらと眩しいほどの白い壁のコントラストを、僕はぼんやりと見上げながら嘆息した。こんなのどかで晴れやかな日なのに、ベッドに横たわっていなければならない自分が恨めしい。
「ほんと、サイアク……」
そう口に出して呟いてみても、もちろん誰からも返事はかえって来ない。先ほど保健室の先生も講堂に顔をだしてくると言って席をはずしてしまったので、今保健室にいるのは僕一人だけだ。
白い布地張りのパーテーションで隔てられた向こう側の世界はしんと静まり返っていて、頭痛を増幅させる要因のひとつだった新入生達のざわめきも今は全く聞こえない。きっと今頃は、揃って校長先生の訓話か何かを聞いているのだろう。
そう、今日は大事な入学式の日。
高校生になったら、今までの病弱なイメージを脱ぎ捨てて、心機一転明るく健康的な学園生活を送るのだ、と頑張って体調も万全に整えていた。なのに、初日からいきなり倒れてしまうなんて。
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