ハトに憧れたカラス

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絶望に彩られた世界で彼は私を見つけた。 膝を抱えた私を見つけた。 血塗られた私を抱きしめた。 彼は私を(ハト)にしようとしていた。 食べられるだけの(ハト)に。 私はそれでいいと思った。 ハトになりたいと思った。 血塗られたカラスはハトに憧れた。 彼なら私をハトにしてくれると思った。 彼は私に色を教えてくれた。 深紅に染まった世界に、温かな色を見せてくれた。 世界はこんな色もしてたんだと教えてくれた。 彼は私の全てだった。
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