第1章

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「う…んと、高村くんのマンション。」 「え、同棲してるの?」 「家は別々。高村くん、隣り合わせに二つマンションを買ってて、その一つに私、来てるの。」 「そうなの?贅沢ね。」 「そんなことも諸々明日話すから。」 「分かったわ、待ってる。」 電話を切ってハーッと溜め息を吐いた。 明日父母に私たちの現状をわかってもらえるのか? 少し不安だった。 大丈夫、二人は私の味方だ。きっと応援してくれる。 「ね、赤ちゃん。」 お腹に手を当てて優しく撫でた。 赤ちゃんは触れる度、私に元気をくれる。 この子は生まれる前から支えてくれる。 一人じゃないと思うと、昨日感じた孤独も今日はあまり感じない。 さ、それじゃ洗濯を始めようかな。 今朝いっぱい汗をかいたから、シーツを剥がして洗濯を始めた。 そうだ、高村くんの洗濯物、どうしたんだろう? 鍵を預かっておけば良かった。
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