4本目:さよなら三角、また来て四角

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「はなして!」 「土曜日!! あれはお前のプレゼント選んでただけだっつーの!」 「……は?」  島崎はポケットからラッピングされた四角い箱を取り出した。 「なにこれ」 「クリスマスプレゼントだっつーの! 察しろ!」 「は、はぁ?」 「……いいから開けてみろよ」  言われた通りガサガサと開けてみると、小さなうさぎのマスコットが入っていた。しかも、その手にはピンクゴールドのネックレスが掛けられている。 「……かわいい」 「だから! お前昔から好きだっただろこういうの!! ……あの子ん家の母親がハンドメイドの雑貨屋やってるらしくて。土曜日は案内してもらってた。そのあとお礼にケーキ奢ってただけで。ホントになにもないんだって」  掴んでいた手に力が込められる。 「中学の時は……お前とのこと色々言われたからついそう言っただけだよ。お前に聞かれてたなんて知らなかったし」 「……他の女と付き合ってたじゃん」 「だってお前俺のことなんて見向きもしなかっただろ? だから他の女と付き合ったらどんな反応するかと思って」 「……まさかあたしの気をひくためだったっていうの?」 「……まぁ」 「はぁ!? バカじゃないの!?」 「うっせーな! だってお前振り向く気配なかったし!! 少しくらい意識させてやろうと思ったんだよ!!」 「あたしは最初からあんたしか見てなかったっつーの! 信じらんない! あたしがどんな気持ちであんたと彼女のこと……ムカつく! ホントにムカつく!!」 「お前だって無駄にモテやがって! それに水沢に惚れてただろーが!! お前が持ち主に名乗り出た時俺がどんな思いだったか!」 「し、知らないわよそんなの!!」  2人とも吐き出す息は白い。あーあ。クリスマスイブにこんな所で何やってるんだろう。笑える。
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