浅草の仲見世で。

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やっぱりネットは早いし凄いな。 それに比べて商業マスコミのテレビの中の方々は、皆が皆、揃いも揃ってどんぐりの背比べよろしく判で押したような報道に終始していて、いつもの様に得体のしれないコメンテーターや他称(たしょう)専門家たちが意見を求められては、番組の意向に沿ったらしく感じざるを得ない、如何(いか)にもお抱えの放送作家の皆さんが作成しました的な御託(ごたく)を並べて、無駄な時間を浪費しているだけのどうでもいい内容ばかりが、あたしの耳目を汚していくだけだったのだから。。 しかも、それすらも、番組の尺埋めの束の間であって、地方の人間がホイホイ行ける筈もない都内の有名店の美味いらしいスイーツ店の話に切り替わり、面白いのかどうかもわからない番組の太鼓持ちの役割を与えられた芸人や、実際の本業はいったい全体何なのかもわからないタレント達がオーバーリアクションではしゃぐバカ姿に切り替わったところで、遂にうんざりしたあたしはスマホを見るのを止めた。  うん?  あたしはブラウザバックした右手の親指の先っちょに、赤黒いしみが丸い点となってついているのに気が付いた。  これって、もしかしてさっきの女の人の血? すこしだけゾッとして、それから、、、 「まあいいや、これくらい」 と、  人差し指の爪でこびり付いた点を弾き飛ばして、ハンカチで拭い終えたところで、目的のバスに辿り着いた。     
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