今日という日が特別であったなら

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「第二ボタンって、そんなに欲しい物なのかな?」 とうとう中学最後の行事である卒業式を終え、中学を卒業した僕と加藤は特に教室に残る理由もなくなったので、帰るためにトボトボと下駄箱へと向かっている途中、加藤がそんな質問をしてきた。 「第二ボタンね。確か心臓に一番近いからとかそんな理由で好きな人の第二ボタンをもらうってやつだろ?。現実で第二ボタンをねだったりするやつなんていないだろ」 「いないのか…。一応、予備のボタンを何個か持って来たんだけどなぁ…」 「無駄に準備がいいな、加藤」 「実費で8個もボタン買ったのになぁ…」 「8個は自惚れすぎだろ」 「仕方ねえだろ。第二ボタンをいつ貰われてもいいように、3年前から予備のボタンを買ってたんだからさ」 「中学の入学前から狸の皮算用してたのか?加藤」 「ああ。数学は苦手だったけど、昔から皮算用だけは上手くてな…」 「悲しい才能だな」 いつものようにくだらないトークをしていると僕達はとうとう下駄箱へとたどり着いた。…いや、たどり着いてしまった。 「神様、どうか最後に私に女子からのラブレターという施しを…」     
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