現実はまぁ、こんなもん

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だがしかし、声をかけた二人組みの女の子は現実の非情さを突きつけて来た。 「ごめんね、私達二人ともギター希望でさ、ギターがこれ以上増えるのはちょっと…」 そう言って彼女は申し訳なさそうにやんわりと断って来た。 『まあ、そんなうまくいきませんよね』 僕は現実の厳しさに心の中でそういって笑うしか出来なかった。 だかしかし、ここで彼女はこんなことをボソリと口にした。 「でも…ベースが欲しいのは確かなんだけどなぁ…」 そう言って彼女は加藤の方をチラチラ見て来た。 少々想定外の出来事に僕と加藤は顔を合わせ、アイコンタクトで作戦会議をした。 『加藤、僕のことはいい。おまえ一人でもユートピアに行くんだ』 『馬鹿野郎!!これは俺たち二人で達成した偉業なんだぞ?櫻井を置いて行けるか!』 『バカはお前だ!男の友情なんて恋愛の前にはゴミクズ同然だろ!?』 『っていうか、俺一人で女の子グループに混ざるとか、エベレストの山頂に全裸で置いていかれるようなもんだろ!?死ぬわ!!』 『…それを言われちゃ、どうしようもないな』 一瞬のアイコンタクトで上記の意思の疎通を終えた僕達は改めて女子グループに向き合い、涙ながらにこう告げた。 「じゃあ、またの機会ということで…」 こうして僕達はエベレストを後にした。     
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