今日という日が特別であったなら

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学校の中を見て回ることにした僕らは、まず体育館を訪れた。 僕らはこれでも中学の3年間は卓球部に所属していたので、ここはよくお世話になった場所の一つだ。 部活に入るのが当たり前みたいな風潮があったため、当然のように何か部活に入るという選択を選んだ僕はなんとなく楽そうだし、いい運動になるかなと思い、ここに入部した。 面倒と思いつつも3年間、練習を休むことなく真面目にやって来た。その甲斐あってか、僕は団体戦のレギュラーとして、大会で試合をしていた。…まあ、あまり誇れるような結果は残していないけど。 だけど、3年間も練習していたここなら、なにか探し物が見つかるかもしれない。そう期待した僕らが体育館の扉を開けると、卒業式の片付けをする大人達に混じって、隅の方で制服姿のまま卓球に勤しむ2人の姿が見えた。 1人は卓球部の部長だった倉本、もう1人は副部長の本田だった。 この二人は仲の良い友達というわけではなかったが、卓球の実力が拮抗しており、よく試合をしていた。 良く言えばライバル、悪く言えば犬猿の仲。 そんな二人が試合をしていたのだ。 「なるほど、卒業を機に決着をつけてるわけだ」     
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