今日という日が特別であったなら

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倉本と本田と別れ、体育館を後にした僕と加藤は学校の色んなところを見て回ろうと歩いていたのだが…大体どこの教室も、普段部活動で使っていた部員達が占領していたため、中に入りにくかった。 「お、美術室なら誰もいないぜ」 校舎の隅の方にあるひっそりと寂れた美術室は静かだった。 授業でたまに使用するくらいなので、あまりここに来ることはなかったが、いざこうやって来てみるとなんとも考え深いものがある。 人がいなくなり、静かに佇むその様はまるで役目を終えた遺物のように思えた。 「ここで絵とか描いたんだっけ?。あんまり覚えてないな」 「俺もあんまり覚えてないな。ここで櫻井とよく授業中にこっそり五目並べしてたのは覚えてるけど」 「そういえばそんなことしてたな」 加藤に言われて思い出したが、授業中、暇だったので紙に描いたマスに五目並べをしていて遊んでたことを思い出した。 まぁ、はっきり言ってどうでもいい思い出だが…。 「そう言えば、うちの学校って1年前くらいに部員不足で美術部ってなくなったんだよな」 「そりゃあ部員は減るばかりで増えることはそうそう無いからな。他にも何個か部活無くなってるだろ」     
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