シン・デレラ

2/13
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
デレラ侯爵家はマッサチン公国の代々近衛軍の将軍を排出してきた武の名門である。 現当主シュウ・デレラ侯爵は16歳のとき騎士団の門をくぐり20歳で部隊長に。 その年に妻を娶り23歳の時に長女シンを授かる。 35歳のとき近衛騎士団の副将軍に就くが、この年、妻が流行り病で亡くなる。 憑りつかれたように戦場で戦い37歳で赤金騎士団の将軍にまで昇りつめる。 38歳のとき大先輩で蒼銀騎士団の将軍ハツ・ヤキニ侯爵の三女を後妻に迎える。 後妻の年齢は35歳。20歳と18歳の二人の娘のコブツキだった。 しかしこの縁が元でシュウは近衛軍の将軍に昇りつめる。 「95.96.97.98.99.100」 腰まである灰色の髪に黒い瞳の160センチぐらいの少女が直径50センチはある歪な大岩を抱えスクワットをしていた。 かなりの負荷を与えた運動を難なく熟しているにも関らず少女の身体には筋肉が付いていない。むしろ華奢である。 顔が端正に整っているだけに異様に見える。 彼女は某格闘漫画のような瞬発力に優れた筋肉と持久力に優れた筋肉の2種類の特徴を持つ筋肉を持つという訳ではない。 彼女の筋肉は鍛えても太くならない。その代わりに質が良くなる。 鍛えたゴリマッチョな男の筋肉を青銅に例えるなら彼女の筋肉は銀だ。 微妙な例えだが御年15歳の少女である。ご容赦頂きたい。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!