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3話 武闘会。選手の入場(人物説明回)
マッサチン公国で行われる武闘会のルールは「なんでもあり」である。
魔法の武器、魔法の防具、魔法の道具、呪文の巻物。魔法から毒の使用までも認められている。
これは女神の雫という死亡に至るダメージを無効化するアイテムの存在のおかげだ。
もっともこのアイテムが発動すると3か月はベットの上なので、相手を殺すような攻撃はしないというのが暗黙のルールではある。
参加者は一般4人に近衛四聖騎士4人のトーナメント。
一般が奇数番号、近衛四聖騎士が偶数番号のくじを引く1回戦、準決勝、決勝と進んでいく形。
運がよければ近衛四聖騎士のうち3人と戦える。
決勝までいけば実入りは大きいとシンは考えている。
「選手入場です。まずは冒険者ギルドの紫A》級冒険者の戦士。悪魔の尻尾というパーティーのリーダー。ガイアド32歳」
短く刈り込んだ茶髪に灰色の瞳。顔は厳つく身長190センチのゴリマッチョ。
武骨な刃幅の広い両手剣を背負った全身鎧の男か姿を現す。
シンの評価は筋肉をつけすぎ。あと年齢差がチョットキツイです。
「続いてモツ・ヤキニ次期侯爵のご子息で去年騎士を叙勲した新鋭オルテガノ・ヤキニ19歳」
ヤキニ侯爵家の特徴でもあるこげ茶色の髪に灰色の瞳。整った貴族らしい顔に身長180の細マッチョ。
片手のロングソードに盾をもった鎖鎧の男か姿を現す。
シンの評価は従兄殿。幼いころから拳を交わしていたので戦いたくない。バレるから。
「続いて冒険者ギルドの紫級冒険者の拳闘士。拳骨同盟のサブリーダー。マシュマ23歳」
日に焼けたスキンヘッド。糸目のため瞳の色は判らない。糸目なのは視線で攻撃先を読まれないための工夫らしい。
拳に装着されたナックルを装備した左胸を隠す程度の胸当ての男か姿を現す。
シンの評価は一般参加者の中では有望株。
「続いて駆け出し無色級冒険者の軽戦士。キャットレディ16歳」
顔には目の部分以外を覆い隠すアイマスクから覗く瞳の色は碧眼。赤みの強い金髪の頭には吸いつくようにキッチリと嵌ったネコミミのついたカチューシャ。
両手突き剣を腰に佩いたライトプレイトアーマーの少女が姿を現す。
そしてそれまで選手を称える歓声だった会場が罵声に包まれる。
シンは苦笑いする。
自分が観客なら同じように罵声を投げかけていたと、罵声を浴びせられるのも当然だと受け入れていた。
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