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第五回・小説っぽくなったから、物語っぽく纏めよう
前回、心情を加えたので随分と小説らしくなってきました。ここまで来たらあと一歩です。物語っぽく纏めてみましょう。物語の定番である「起承転結」や「序破急」などというのは……
まぁ、難しいので置いておきます。
では、前回の心情描写に具体的に何を加えれば物語らしくなるのか。
それはリアリティーです。
リアリティーは何によって付与されるかと言えば、これは「心情描写」と対を為す描写、つまりは「情景描写」です。
前回の文章に書き加えてみましょう。レッツトライ。
「でも、どうやって会話すれば良いのか分かんないや……」
学校からの帰り道、夕暮れに染まる川辺を歩きながら、彼女はそう言って目を伏せた。
「大丈夫、思ったことを順番に口にしていけば良いんだよ。そこは普段の会話と一緒だって」
「でもさぁ…… 下手な事を言って、嫌われたりしたら、嫌じゃない……?」
幼馴染は彼女の肩を叩きながら、努めて明るく彼女を励ました。
しかし、彼女の反応は鈍く、どこか不安げな表情で幼馴染の顔を見上げてくる。
「うーん、それはそうだけど、何をやっても嫌う人が居るのは変わらない事実だよね。
大声で嫌い嫌いって言う人を相手にするのは神経をすり減らすだけだし、特定の相手がいないのなら、その『何かをやった時』に好意的な反応を返してくれた人に向けてアプローチする方が建設的だよ」
「そういうもの? そんなに簡単に割り切っちゃって良い物なの……?」
そんな不安そうな視線を幼馴染は苦笑交じりに受け止めながら、彼女を優しく諭す。
彼女は幼馴染のあっけらかんとした答えに呆然とした表情を浮かべたが、けれども、長馴染みの態度に少なからず共感を覚えたらしく「そっか、そうだよね……」と小さく頷いた。
「うん。好きって言ってくれる人が居るのに、わざわざ『嫌い』って言ってくる人を相手にする必要なんてないよ。
それに、言いたいことがあって行動したのは、それだけで賞賛されるべきだしね」
グッと拳を握りながら幼馴染は力強く熱弁する幼馴染の言葉に背中を押され、彼女は顔を上げて歩き始めた。
前回より物語の一場面っぽくなりました。
キャラクターに名前を付けていないので、かなり読みにくい文章になってしまいましたね…… 反省
後はこれを続けていくだけで、小説になります。
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