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「妄想のパパが勇人だとわかって、明樹は……勇人を好きになった……?」
「へっ?」
間抜けな声が出てしまった。なんだって……????
「どういう意味? 僕には父親がいないから古澤さんみたいな人が父親だったらって憧れるけど……。ずっと妄想してきたパパのモデルだったわけだし……なんか他人とは思えないけど、好印象だったし」
「オレは、勇人が好きなんだ。父親とは思ってない」
「えっ? ええええっ!? えええええええええええ!!??」
碧の突然のカミングアウトに、僕は頭が回らなくて大声を出してしまった。碧が慌てて僕の口を手のひらで塞ぐ。
「ちょっと! 驚きすぎ」
「だ、だって! びっくりするじゃん!」
「明樹だからしゃべったのに」
碧は僕から目をそらして、離した手を所在無げに遊ばせる。急に悪いことをした気になって、碧を背中から抱きしめた。
「ゴメン! あの……詳しく聞いてもいい?」
「話すと長いし、お昼休みも終わっちゃうし、オレも明樹が勇人とどうやって出会ったかも聞きたいし……放課後時間ある? カラオケ行こ。決定!」
「いいけどさ。とことん聞くから。あ、でもフォロワーさんと受け渡しがあるから、イケフクロウ寄ってからでいい?」
「りょ!」
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