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☆ 4月14日・未明
巨大な建造物が眼前に聳えている。堅牢な石造りの外壁は所々が黒ずんでおり、見るものに歴史と威容を感じさせる。敷地の内と外とを隔てる壁は万里の長城のように地平線の彼方まで続き、悪魔のツノのように高く屹立した塔は朝方の空に漂う灰色の雲を突き刺している。
それが何だかを知らずにこの建造物を見たとすれば、10人中9人は目の前のそれを城か要塞の類だろうと勘違いすることだろう。残りの1人は監獄だと答えるに違いない。
しかしてその正体は学校だ。もう1つ加えて言うならば、この学校は普通の学校ではない。この学校で生徒たちが教わるのは科学や一般教養などではなく、魔法についてだ。
今、私はそこへ初めて足を踏み入れようとしている。私は立派な魔法使いになるため、今日からこの学校で研鑽を積むのだ。
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