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☆ 4月14日・朝
寝惚け眼で枕もとのデジタル時計を見やる。時刻はAM6:30。起きるのにはまだ少し早い。
アラームが鳴る45分まで2度寝をしようと決め込んで、再び枕に顔をうずめる。
どうも変な夢を見た気がする。頭の中から急速に消えようとしている映像の断片を急いでかき集め、夢の内容を反芻する。
……だいたい思い出した。我ながらおかしな夢を見たものだ。
なぜそんな夢を見たのだろうかと考え、すぐに思い当った。昨晩に家族で観た映画のせいだ。夢の中に出てきた魔法学校はホグワーツで、とんがり帽子の正体は組み分け帽子だ。
まだ覚醒しきれていない頭で、『ハリー・ポッターと賢者の石』のワンシーンを脳内再生する。
ある学校に入学した主人公・Pは、入学早々にいじめっ子・Mから「友達になろう」とアプローチを受ける。Pは本人の努力とは無関係にその世界の有名人であり、入学当初からすでに周りから一目置かれる存在だったのだ。そしてそのヒエラルキーの高さ
は、実にMの好みだった。しかしMはPの知人・Rを悪く言っていたため、その申し出に対してPから次のように返答されてしまう。
「悪いけど、友達なら自分で選べる」と。
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