3、赤木の巫女

1/2
34人が本棚に入れています
本棚に追加
/26

3、赤木の巫女

それは、ある朝靄のかかる龍の刻。 黒龍は淵の奥底でまだ静かな眠りの中にいた… 。 するとなにやら清らかな唄声が響いてきて目を覚ます。 龍が住み着いてからというもの 人っ子一人、いや虎紋呪の変人僧以外、誰もこの賽銭淵に近づくものなどいないはず… 〝虎がまさかあんな可愛い声で念仏以外を口ずさむのか…〟 黒龍は片眼をあけて千里眼でそっと見た。 “おお!なんと美しい” そこにはククリの花を摘みながらなにやら唄う娘の姿がある。 〝君が魂 いまはこの世に亡き如く 思うは浅知 今 君 吾等をぞ見る〟 宮津神社の巫女だった。 image=510718624.jpg
/26

最初のコメントを投稿しよう!