また君に会いたくて

第二章

「安藤です。年齢は長瀬さんより少し上ですが、技術や知識はまだまだ未熟ですのでいろいろとご指導よろしくお願いします」
　人の良さそうなにこにことした笑顔が嫌味ではなく本心から出ているのだと感じ長瀬も素直に「いえ、こちらこそ」と頭を下げた。
　安藤に肘でつつかれ、背がひょろりと高いいかにも理系オタクといった感じの男が続けて挨拶をした。年齢は長瀬より二、三歳下と言ったところか。
「小泉です。よろしくお願いします」
　三番目は女性だ。きちんとメイクが施されなかなか整った顔立ちをしているが、ひっつめ髪と黒のパンツスーツが勝気で他人を寄せ付けない冷たい印象を与えている。大抵の女性は長瀬の容姿にのぼせ上がりぼうっとした視線を送るものだが、この女性は違った。
「恩田と申します。よろしくお願いします」
　顔色一つ変えず、綺麗にお辞儀をして見せた。そして最後、四番目に例の男がぺこりと頭を下げた。どうやらここでは一番の下っ端ということらしい。
「亀井です。よろしくお願いします」