11 ずっとそばにあるから

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 この上なくぐっすり眠ったわたしとちゃーちゃんは、次の朝、看護師さんの声で目を覚まし、寝ぼけ眼のままこってりとしぼられた。  ちゃーちゃんは、自ら命を絶とうとしたことを、わたしは、無断で病院に泊まったことを(何度も起こされたにも関わらず、頑として眠り続けたらしい)ずいぶん怒られた。わたしたちはそれを、にこにこと聞いていた。それでまた怒られたけど、ちゃーちゃんは笑って「ごめんなさい。なんだかうれしくって」と言った。わたしはそれを聞いて「うれしいなぁ」と呟いた。すると、ちゃーちゃんは目をぱっちりとひらいて、わたしの方を見た。 「思い出した! 思い出したよ、りんちゃん。りんちゃんは、ぼくを、愛してるんだね」  その言葉が看護師さんをますます怒らせたのは、言うまでもない。
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