2/36
前へ
/36ページ
次へ
源次郎は兄であるクラークに負けた。 しかし当の源次郎は全く感情を露にしなかった。 生まれもっての孤児だと思って生きていた想いが大きいかったのだ。 特に気にもせず、その後17年が過ぎ、そのミストガン家を追い抜き、 源次郎は世界のトップに君臨した。 だが源次郎は何も変わらない。 今はただただ、ミステリードラマに集中しているひとりの俳優でしかない。 確かに台本には、鉄棒付きのコンクリートで人を殴り殺す場面があるので、 題名に偽りはないように感じている。 だが、題名のイメージが少々違うような気がするので、 怪訝に思って頭から離れなくなっている。 だがこういった思考は源次郎の精神衛生上とてもいい状態に含まれるので、 役にも集中できるのだ。 撮影場所は全て、以前は無人島であった牛島、別名コンペイトウで行ない、 ほかのスタジオは一切使わない。 屋敷としての建物はコンペイトウにある温泉旅館をその代わりとして使用する。 このコンペイトウが宝島だったのだ。 この島で多くの金や宝石が出土したことにより、一大テーマーパークと化した。 博物館はもちろんのこと、温泉旅館や本格的なレースのできるサーキット、 公式競技として使用できるグランド、     
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加