春の中

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満開の桜の下で、お茶とお菓子を広げ、少女たちはきゃっきゃと声をあげています。 「このお菓子も、評判のお店の物でしょう?」 「よく手に入ったねぇ。さすが、美味しいよ」 お茶を手に、栗毛の少年もうなずきます。 「わざわざお店に連絡して取り寄せましたの。新作と聞くと、いても立ってもいられませんのよ」 得意そうに巻き毛の少女が答えました。 「お嬢様は、美味しい物に目がありませんからね」 「爺や」 傍らで手際よく両手を動かしていた爺やに、巻き毛の少女はすかさず返しました。 「美食家(びしょくか)と言ってちょうだい」
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