第1章

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副社長と言うのは部類の映画好きで、それに輪をかけたおれが相手では、必然的にこうなるのも不思議はない。結局、最後まで映画の話で染め上げてしまったのだ。 おれは、又来るといいよ、の言葉を逃さず、コネクションを作ろうと晩飯に誘ったが、またの機会と言う事で、取り逃がしてしまった。 その後も、何度もキャルビスタ社へは足を運んだが、副社長とは合うきかいに恵まれず、今の所、一度だけの出会いという事になっている。 おれの手元には、キャルビスタ社で撮った写真が何枚かあるが、公開禁止となっていて、おれのデスクにひっそり眠っている。 副社長の名前は聞いていたが、うかつにも、すっかり忘れている。 今でも覚えている事といえば、お洒落で、けっこうハッタリ屋だったと言う事だ。 part3へつづく
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