白い父と黄色い母

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それからは、マリア中心で家の中が回った。父は、授乳にオムツ交換とてんてこ舞いな妻の代わりに買い物へ行く。夜泣きするマリアをあやして寝不足になる妻に代わって食事を用意する。 それが半年過ぎると、離乳食を食べ始めた。大人が食べる物を途中で引き上げて、薄く味付けし、更に小さく切り刻んだのをプラスチックの皿に入れてスプーンで食べさせる。大人たちは濃いめに味付けしたのを食べる。母は、上手く食べられないマリアの手伝いをする。父は後片付けをしている妻に代わってマリアの相手をした。歯磨きを終えたら3人で寝るのだ。 マリアが一人で歩き、オムツが取れるようになると両親はお話を聞かせた。父と母はそれぞれの国に伝わる伝説を聞かせた。マリアは、両親が聞かせる絵本で二か国語を話せるようになった。父は、書き取り練習としてノートをマリアに与えた。最初のページではアルファベットばかり並んでたが、先へ進むと同じ単語が並ぶようになる。終わりに近づくと簡単な文章になっている。初歩的な文章ではあるが、父の国の言葉を小学校へ入学する前に身につけた。 母は、幼稚園児になったマリアを送り迎えをする。マリアは母とは母の国の言葉で幼稚園であった事を報告する。母は、よく訳がわからなくても相槌を打つ。     
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