マリアの成長

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マリアの成長

幼稚園児のマリアは、両親と一緒に散歩へ出かけた。池から白鳥の鳴き声が聞こえるので、池の方に向かった。柵の外で父に肩車されて白鳥の群れを眺めた。母はそれをビデオで撮影してる。見かけによらずダミ声で鳴き交わす白鳥を見て、マリアは歓声を上げる。「白鳥も人間もそんなに変わらないなぁ」と呟く父に母もうなづく。 「どうして白い鳥さんと灰色の鳥さんがいるの?」とマリアが尋ねると父がこう答えた。「白いのは親で、灰色はあの親子から生まれた子供さ。ちょうどマリアと僕たちと同じさ」 更にマリアはこう続けた。「鳥さんも幼稚園へ行くかなぁ」そうすると父がこう答えた。「種類にもよる。集団で行動するならそれもありえる。違った大人が面倒を見るということかな」 マリア親子はしばらく白鳥相手にバードウォッチングをしていたが、時間が過ぎていくのでキリの良い所で池を離れて散歩を続けた。     
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