マリアの成長

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今度は、バレエ教室の看板を掲げた建物のそばを通り過ぎた。「あれは何を書いてあるの?」こう尋ねるマリアに父は答えた。「さっきの白鳥さんみたいな格好で踊るのを習いに行く所だ。ちょうどお前の歳から始めると、大人になる頃には白鳥みたいになってお金を稼ぐんだ」マリアはしばらく考えた。「あそこへ行ったら私も鳥さんになれるの?」とマリアは父に尋ねた。「いつかはね。でも、白鳥みたいになるには相当練習しないとな。10年やって、少し格好がつくと思うよ」それに父がこう答えた。 そうしていくうちに3人とも家へ帰った。みんなはオヤツを食べ、3人で団欒の時間を過ごした。その後晩ごはんを食べ終わると床に入った。 マリアは、昨日のバレエ教室の事が気になって、母にこう言った。「私も鳥さんになりたい」 最初は冗談かと思った母は、マリアがしつこくせがむのでとりあえずそのバレエ教室を検索してみた。ちょうど幼児教室も備えている。入学金・月謝・練習時間などを確認するとそれを印字して夫に見せることにした。 帰宅した夫はそれを見た。やりたいならとことんやればいい主義の人だから反対はしなかった。今度はマリアに確認することにした。マリアは、やる気満々である。 母はマリアを連れてその教室へ行った。手続きを済ませ、口座入金して、晴れてマリアはこの教室の生徒になった。予定通りマリアはこの教室でバレエを一から学ぶのである。     
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