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第1章_雨の後は虹が出る
その日は朝から雨が降っていた。
恋人に駅前にある大きな時計のところに来て欲しいと電話で言われた。
いつもなら「どうしたの?」とか聞いていただろう。
でも、彼女の声を聞くと様子が変な気がした。
僕は何かあったのでは、と思い慌てて家を飛び出して駅前に向かった。
駅前付近に着くと大きな時計の前に彼女がいるのを見つけた。
「どうしたの?」
僕は言った。
すると彼女は
「ごめんなさい、別れて欲しいの」
そう言った。
僕は完全に思考が停止してしまった。
そして彼女はそれだけ言って立ち去ってしまった。
皮肉なことに彼女が去った後は雨がすっかり止んで、きれいな虹がでていた。
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