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食後のお茶を飲みながらライとリアがゆっくりしていると向かい側にエリーゼが座る。
「働くっていうのはこういう事。疲れるし、大変だし、失敗すると落ち込むし、嫌にもなるだろう。それでも『何でも屋』として働きたいと思うかい?」
ライとリアは顔を見合わせ、同時にエリーゼに向き合う。
「「はいッ!!!」」
力強い返事を聞き、エリーゼは深く頷くとニッコリと笑う。
「そうかい。」
「でも、こんな失敗続きで仕事なんかくるかなぁ……」
先程の元気な返事はどこへやら、ライの一言を受けリアまでもが自信を喪失する。先行きに不安しか無い。
「さっきも言われただろう?最初から上手く出来る人なんて居ないんだよ。アタシら町の全員がアンタら2人の依頼人であり、先生になる。だからアンタ達はこれから何でも屋として、このローナの町で色々な事を学んでいけばいいのさ。」
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語り終わったライとリアは苦い思い出とは言いつつも、懐かしさに自然と口元が緩んでいた。
ライとリア。未熟な2人が立ち上げた何でも屋『Jack of all trades 』の初仕事は失敗続きで散々なものだった。
その後もローナの町の人々からたくさんの依頼を受け、失敗と成功を重ね、今日の彼らがあるのだ。
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