第2章 異世界デビュー☆若返った俺

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◆◆◇◆◆  眩しさがおさまり、目を開けた先にーー。  尖んがった無数の先端が俺を狙う。 「おわっ!!」  反射的に後ろに飛びのいた俺は、その先の何かにぶつかって小さく跳ね上がる。  振り向けばそこにいたのは、俺と同じ30代ぐらいのネクタイスーツ姿の男だ。  真面目そうな黒ぶち眼鏡をかけ、頭の良さそうな端正な顔立ちとパリッと背筋を伸ばした雰囲気が、俺の苦手な人種そのものだ。  片手にはブランド物の黒のビジネスバッグを持っている。ネクタイもスーツも高そうだ。きっと高給取りのエリートなんだろう。  残念ながらこんなエリートサラリーマンと、電車や近所でちらっとでも見かけた記憶も会った記憶も、まったくなかった。 「・・・どこから」 「君こそ・・・」  だがそれ以上の会話を続けることができなかった。  なぜなら俺達二人は、周りをぐるりと原住民たちに囲まれていたからだ。  上半身は裸で下半身を長い緑の葉っぱを束ねたスカートのようなもので隠している。  テレビで見る、密林の奥なんかで出会う少数部族と同じ感じだ。  その原住民たちは棒の先に尖った包丁を取り付けた槍を、俺達に向けたまま、険しい表情で叫んだ。 『勇者はどっちだ!?』 「勇者?」  お決まりのゲームキャラだ。  勇者って、世界を救うアレだろ?ーー花形主人公ってヤツだ。  だが原住民の雰囲気からは、歓迎する様子がない。  むしろ「勇者は俺だ」と言った途端に刺されそうな、不穏な雰囲気が漂っている。
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