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それになんだ、<HP10/MP1>って!!
経験値はいくつだ!?次のレベルまでのわかりやすいゲージはないのか!?
にしても、弱すぎんだろ、俺!!
最悪のステータス!
Lv.1開始でも、普通は最初にレベルアップイベントやチュートリアルで強制底上げするもんだ。
それがいきなり!?
腐れゲームは原則も無視か!?
原住民と手作り槍に囲まれた後は、<Lv.1>のまま、現在大男にケツを狙われる大危機。
装備表記の、<ジャージ上下>が涙をそそる。
なぜなら脱がせやすいからだ。
その予測通り、肌が空気に晒された!
半脱げで必死に大男の臑をケリケリしていれば、下半身を諦めたのか、やにわに胸を狙ってぬめった長い舌が迫りくる。
「うわぉぉぉーーー汚ねぇぇぇぇぇ!」
新たな危機勃発で叫ばずにはいられない。
俺はわらにもすがるすがる思いで、笑えるチープな習得技名の<小悪魔のおねだり>を発動させた。
<Lv.100>の技、何でもいいからどうにかしてくれ!
だが。なにも起きない。
ーー嘘だろぉぉぉぉ!おいっ!!!!
と思ったところで、頭の中にエコーまみれの声が響いた。
(ーー具体的におねだりしろ)
「?」
大男のつむじを見ていた俺は気配を感じて顔を上げる。
するとすぐ横に、小学生ぐらいの黒いフードを被った少年が座ってこちらを覗き込んでいた。よく見れば陽炎のように輪郭が歪んでいる。
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