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「いっ!?」
(具体的におねだりされなければ、寵愛する気にもなれない)
ーーちょうあい・・・・・・?寵愛!?小学生に寵愛!?
言葉の威力で、HPが減って<HP7>になったのを目の端で確認する。
(ほらっ、可愛くおねだりしろよ)
真顔で言われる。
「ああっ、もうっ、なにがなんだかわかんねぇけど、コイツどうにかしてくれっ!」
(具体的じゃない。可愛くない。おねだりじゃない)
容赦のないダメ出しに、俺はカッとする。
だが胸の上を、気持ち悪い感触がとうとうはい回り出したのを脳みそが感知した瞬間、やけくそ紛れに叫んでいた。
「コイツのセクハラ、サイアクぅ~なのぉ!だからこんな大男、メッタメタのギッタギタに蹴っ飛ばして遠くに吹っ飛ばしてやっつけて、お仕置きしちゃってぇぇぇぇ!!」
キャバクラのお姉さんか通勤中に見たおしゃべり女子高校生を思い浮かべ、俺は俺の小悪魔を追求し、精一杯のお願いーーもといおねだりの言葉を述べた。
だが陽炎少年の採点は厳しい。
(15点ーーだが、初回だ。マケてやるから、次からはもう少しおねだり上手になれよ)
小学生に冷たくそう言われ、俺のHPは<HP4>までダメージを受ける。
だが、屈辱に耐えた代わりに、少年が立ち上がって手を翳した瞬間、覆いかぶさっていた大男が、あっさり蹴飛ばされ砂まみれになったまま、空高く吹っ飛び、森林の緑の向こうに遠く消えていなくなった。
(叶えたぞ。じゃあな)
そのエコー声とともに少年の姿は消え、<ステータス画面>のMPが0に変わった。
とりあえずケツを狙われる危機から逃れたらしい俺はつぶやく。
「ーー召喚技??????」
召喚術ではなく習得技?少年召喚の?
謎は深まるばかりである。
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