第2章 異世界デビュー☆若返った俺

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 次に<装備1>はジャージーー情けないが、これをグレードアップする方法が重要だ。せめてジーンズとスニーカーぐらいは履かせて欲しかった。  買い替えたくても、店らしきものが当然見当たらない。  ジャージのポケットに電車の定期券と万札1枚があるが、果たして夢の世界で使えるのか???という基本問題が立ちはだかる。  <装備2>の<性奴隷の証>は、今は無視だ。  この足の輪っかを取るには専用の器具がいりそうだ。とりあえず(すね)の上まで持ち上げて、ジャージの裾で隠しておく。  その上で白くスカスカの<ステータス画面>を探っていくと、<持ち物>のところに<保管袋>があった。  食い物を期待して開いてみるが、項目にあったのは<世界地図>と<宿命の書>という怪しい名前の書物、それから<回復薬>が1個だけだ。 「・・・はぁぁぁー・・・これだけかよ。もっと継続意欲をサポートしろよ。こんなんじゃあビギナーはすぐにゲームオーバーだろ」  文句を言えば、ぐうぅと腹が鳴る。  HP4というのは伊達じゃないーー切実な腹の減り具合で、今なら姉貴のマズイ手作り菓子も完食できそうだ。 ーーってこれ、本当に夢かよ!?  ようやく現実感が襲いかかってくる。  普通、こんだけ腹が減ったら、目を覚まさないか!?  いや、俺は醒ます!眠りが浅いタイプだからだ。いつも一緒に過ごした翌朝は、先に目覚めて当麻の寝顔を確認し、幸せな気持ちでひとりアホみたいに微笑んだりしていたーーうっかり思い出すと、うっと胸が詰まって涙が。
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