第1章 リアルBLな中年の俺

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 だがしかし、天の岩戸も腐れ姉貴には負ける。 「ちょっとアキホ!ちゃんと詳しく、始めから全部お姉ちゃんに話しなさい! ちゃんと別れのエッチはしたの!? 当麻くんの結婚ってーーそれっ、裏切りでしょ!? 怒って縛って、泣きながら引き止めるエッチとか、復讐エロエロなことぐらいしたんでしょうねっ!? あんた、それぐらいのスキルはあるでしょ!? ーーあっ、でもあんたのスキルっ、『受スケ』だから、怒りエッチは難しい!?いえ、方法はあるわ!○△□とか直接ピーするとか!そうよ、受けが逆上して攻めを襲う!・・・すごいわエロいわ素晴らしいわ!! アキホ、そこんとこ詳しく吐きなさいよ!!」  妄想を暴走させる姉貴ははっきり言ってコワイ。  俺は布団に丸まって、姉貴の言葉責めにたえる。  ひたすら無言を決め込めば、姉貴の声が恐ろしい猫なで声にかわる。 「アキホー!こらーアキホー!お姉様にすべて吐き出して、楽になりなさぁーい! 失恋て辛いわよねぇ、悲しいわよねぇ? お姉様がじっくりびっちり慰めてあげるから・・・・・・このドア開けろぉ!!」  誰がお姉様、だ!!  恐ろしき姉貴のせいで、当麻との思い出や別れた辛さを噛み締める悲壮感にもひたれない。  失恋を姉貴にしゃべってしまったことを、俺はつくづく後悔した。 「ーー明日の朝は朝礼当番、朝礼当番!会議が2つに、会議で契約の最終局面。忙しい忙しい俺!働け働けっ!!」  お経のように、仕事のことを考える。  がーー。  その時、カチャリと鍵が開く音が響く。  危険を感じて、ガバっと布団から起き上がれば、そこには何やら怪しい本やゲームソフトや生アイドルの写真を抱えた姉貴が無気味に笑っていた。 「・・・・・・ふふふ、逃がさないわよ、アキホ。あんたに更正の道はないのよっ!さっさと新しい男を見つけてお姉様の才能に尽くしなさいっ!」  頭の上から降ってくる腐ったーー目を背けたくなる腐れグッズの群れ。  中には俺をモデルにしたとのたまわる、姉貴作画&プロデュースのゲームソフトも飛んでくる。  勘弁してくれぇーーーーーーー!!  俺は自分の部屋を脱出した。
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