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だがしかし、天の岩戸も腐れ姉貴には負ける。
「ちょっとアキホ!ちゃんと詳しく、始めから全部お姉ちゃんに話しなさい!
ちゃんと別れのエッチはしたの!?
当麻くんの結婚ってーーそれっ、裏切りでしょ!?
怒って縛って、泣きながら引き止めるエッチとか、復讐エロエロなことぐらいしたんでしょうねっ!?
あんた、それぐらいのスキルはあるでしょ!?
ーーあっ、でもあんたのスキルっ、『受スケ』だから、怒りエッチは難しい!?いえ、方法はあるわ!○△□とか直接ピーするとか!そうよ、受けが逆上して攻めを襲う!・・・すごいわエロいわ素晴らしいわ!!
アキホ、そこんとこ詳しく吐きなさいよ!!」
妄想を暴走させる姉貴ははっきり言ってコワイ。
俺は布団に丸まって、姉貴の言葉責めにたえる。
ひたすら無言を決め込めば、姉貴の声が恐ろしい猫なで声にかわる。
「アキホー!こらーアキホー!お姉様にすべて吐き出して、楽になりなさぁーい!
失恋て辛いわよねぇ、悲しいわよねぇ?
お姉様がじっくりびっちり慰めてあげるから・・・・・・このドア開けろぉ!!」
誰がお姉様、だ!!
恐ろしき姉貴のせいで、当麻との思い出や別れた辛さを噛み締める悲壮感にもひたれない。
失恋を姉貴にしゃべってしまったことを、俺はつくづく後悔した。
「ーー明日の朝は朝礼当番、朝礼当番!会議が2つに、会議で契約の最終局面。忙しい忙しい俺!働け働けっ!!」
お経のように、仕事のことを考える。
がーー。
その時、カチャリと鍵が開く音が響く。
危険を感じて、ガバっと布団から起き上がれば、そこには何やら怪しい本やゲームソフトや生アイドルの写真を抱えた姉貴が無気味に笑っていた。
「・・・・・・ふふふ、逃がさないわよ、アキホ。あんたに更正の道はないのよっ!さっさと新しい男を見つけてお姉様の才能に尽くしなさいっ!」
頭の上から降ってくる腐ったーー目を背けたくなる腐れグッズの群れ。
中には俺をモデルにしたとのたまわる、姉貴作画&プロデュースのゲームソフトも飛んでくる。
勘弁してくれぇーーーーーーー!!
俺は自分の部屋を脱出した。
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