第1章 リアルBLな中年の俺

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 なんだか懐かしい雰囲気だ。  社会人になってからはこういったRPGからめっきり遠ざかっていた。その間に、ゲームの主流はネットゲームにうつり代わり、俺がするのはせいぜいがスマホのパズルゲームぐらいになっていた。 「最初に決めるのはフツウ主人公の名前じゃないのか? ・・・・・・色、なぁーー姉貴のゲームでこれが悪夢なら、どれを選んでも最悪の結末だろ?」  よし、とばかりに巨大スクリーンの「いいえ」にタッチする。  すると不思議なことに触れた手先に平べったい板のような、熱のない材質の触感がある。 「ーーリアルだな・・・」  首を傾げている間に画面が切りかわる。 『絶対、どれかを選んでね♪ あなたの運命が、ずーんと変わっちゃうよ?』  再度促され、実質、いいえの選択肢がないことを悟る。  しかもーー。 「・・・ーー姉貴のアニメ声・・・」  聞き慣れているだけに、なんだか疲れてくる。 ーーどうせ夢だ。  めんどくさくなって、俺は色を選ぶことにする。 『>黄色 ←を選ぶ  >赤色  >青色  >紫色  >白色  >黒色        』 「紫はーー色々やばそうだな。赤青はなんとか戦隊の主人公みたいだし・・・黒白って魔法使いの定番だろ?ーーってなると黄色か?お笑い系のイメージだよなぁーーどうせなら、緑があればいいのによ・・・」  俺は、仕方なく『黄色』を選ぶ。 『黄色←選ぶ    で、本当に後悔しない? 一度決めちゃうと、もう後から変えられないぞぉ?             OK・キャンセル 』
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