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「・・・だから、その声!萎えるだろ・・・はぁ」
俺はさっさと「OK」を押す。
『じゃあ、次はね♪』
「まだ、あんのかよ・・・」
姉貴の声に虚しくツッコミむ。
『あなたは何を選ぶ?
>金色 ←を選ぶ
>銀色
>緋色
>碧色
>闇色
はい・いいえ 』
「また色か?」
うんざりして、俺はテキトーに選ぶ。
『じゃあ、始めるよ~~♪』
姉貴の描いた半裸の男同士が薔薇の散る中で抱き合っているーー見覚えのあるスタート画面になった。
以前、興奮した姉貴に無理矢理見させられたゲームの表紙だった。
「・・・はぁ・・・なんでこんな夢見るのか、俺」
失恋の傷心時に見る夢としては、最悪としか思えない。
たそがれ気分でいると、「スタート」というゲームで押すべきボタンを押すことなく、姉貴のアニメ声を合図に、俺は唐突に強烈な光に包まれる。
「・・・・っ」
夢なのにーー眩しすぎんだろっと、のんきな感想をもらした俺は、このあとの死にそうな怒涛の展開に翻弄されることになるのだった。
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