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もう一度、ちゃんと伝えたいから。
「──レン!何処にいるんだ!」
恥ずかしげもなく大声で叫ぶ。
人目など気にしていられなかった。
雨音に隠された俺の声はきっと、君には届かないとわかっているのに。
…立ち止まり、空を見上げる。
何故だかわからないけど、彼はもうあの店に来てくれない気がした──。
見上げた空に光が差して、雨が止む。
俺の心と正反対なその様子に虚しくなって、思わず嘲笑した。
ふと、思い出して彼からの手紙を鞄から取り出す。
歩道の真ん中なのを思い出して、脇にあるベンチに力無く座った。
それで、びしょ濡れの服が重い事にやっと気が付いた。
…俺が1番、わかってる。
本当に馬鹿な事をしてしまったんだ。
手に入れたいと思うあまり、身体だけでも手に入れたいと思ってしまった。
こんなに心が欲しくてたまらない自分に、気が付かなかった──。
今更そんなことを悔やみながら、手紙を丁寧にそっと開く。
濡れた手をしっかり拭って、つくづく馬鹿みたいだと思う。
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