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環が感想を述べた直後、優歌もまた続けざまに感想を言う。
「あぁ、そうだね。
説明書についてたんだけど、色は人の体に様々な影響をもたらすらしいんだ。
赤なら体温が上がるし、青なら体温が下がるとか何とか。
でも、この家の場合は色が変わるだけじゃなく、ストレスを感じ難い最良の温度や湿度に調節してくれるらしいよ?」
「へー、そうなんだ。
それ、超便利だよねぇ?」
「あぁ、確かにハイテクだよな?」
環の言葉に納得しながら、俺は頷いた。
それにしても、本当に不思議としか言いようがない。
住んでいる者の状態を関知し、それに適した状況設定を行うなど、普通はありえない事だ。
まるで家自体に意志があるような....。
(いやいや流石にそれは無いか、ホラー映画じゃあるまいし?)
俺は自分の非現実的な考え方を、即座に振り払い現実的に考えるように努めた。
部屋の温度と周囲の人間の体温を関知するセンサーが、壁に埋め込まれていて、家の何処かに内蔵されているAIか何かが、適切な対応をしているーー。
普通に考えたら、こんな所だろうか?
(全く....曰く付きじゃない事は確認済みだろ?
何を考えているんだ俺は?)
内藤氏の説明に納得した筈にも関わらず、俺の頭の中に再び僅かながらの疑心暗鬼が生じる。
だが、それも一瞬のことだった。
どんなに疑いを持ってみた所で、説明のつかない状況を疑う事など出来よう筈もなかったからである。
何より別にそれが現在、自分達に害をもたらすものでない以上、疑う意味自体ない。
(いかんいかん、上手い話し過ぎたから、ついつい疑ってしまうな?)
俺は良からぬ考えを振り払いながら再び、皆と楽しく過ごす事に意識を傾ける。
だが、その直後ーー。
(な、なんだ、地震か!?)
突然、大きな揺れが俺達を襲う。
室内が激しく揺さぶられ、そんな状況で立ち続けることは最早、困難だった。
俺達は避難する事もままならず、その場にへたり込む。
こうなると無事でいられるかは、運任せだった。
そして、数分後、その大きな揺れは突如として収まる。
(ふー・・・・やっと収まったみたいだな?)
俺は恐る恐る周囲を見回す。
(どうやら、怪我したヤツはいないみたいだ....。
しかし結構、大きな地震だったな?)
俺はテーブルやタンス等から落ちた品々を、見詰めながら先程の地震の大きさを改めて実感する。
「皆、大丈夫か?」
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