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「確かに、それも一つの方向性でしょう。
しかし、その方法ではSC【ストレス・カット】ハウスの実用化までに膨大な時間と資金が必要になります。
何より実用テストでは、SCハウスは想定水準以上の効果がある事が、検証結果として出ています。」
「だからモニター要素を含む形で、この家の販売を始めた訳ですか?」
「えぇ、その通りです。
正直、普通にモニターのアルバイトを雇ったところで本来、生活している状況でのストレス状態は得られませんからね?
ましてや無料モニターをお願いしてもSCハウスを譲渡もできませんし、直ぐに結果の出るものでもないので当社にとっても、モニターさんにとっても有益ではない。
故に当社は、お互いに有益となる形を取る事にした訳なのですよ。」
「それが、この形って事なのですか?」
「えぇ、そうです。
買い取りの場合、まず家を譲渡する時に必要な余分な手続きが不要となり、無料モニターの時に必要なサポート費用もまた不要となりますからね?」
「成る程、それで家が格安だった理由が納得できました。」
充彦は内藤の説明に、深く頷く。
「ただし、あくまでも試作品として作られたモデルハウスなので、此方は一名様限りの物件となります。
では、ご納得頂けたところで早速ですが、SCハウス購入契約の話しを進めて宜しいですか?」
内藤の一言を受けて充彦は一瞬、黙り込み....そして口を開いた。
「宜しくお願いします!」
ーーーーと。
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