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「川崎から教えてもらったんだよ。」
「川崎くんから教えてもらったの。」
(やっぱり、あの野郎の仕業か....。)
俺は思わず、ため息をついた。
何時も事だが、川崎には人のトラブルを面白がる悪癖がある。
とはいえイタズラ程度のものであるが、流石に今回のイタズラは、俺的にかなり精神的ダメージが大きいと言えた。
そんな感じで俺を入れて六人のメンバーが集まり、新居お泊まり会が開催される。
普通に考えたら遊びにくる事はあっても、こんな大人数での宿泊など有り得る筈もない。
しかし、この家の特性と海水浴場が近いという利点は彼らの興味を引くには、十分過ぎる要因だった。
いや、それだけではないか..。
このSCハウスは一人暮しするには余りにも広く、贅沢な作りだと言わざる得ない。
何せ、ベッド、洗面所つきのトイレありの個室が八部屋に、十人近くの人数でくつろげるであろうリビングが一つ。
更には大きめのキッチンと、それにかなり広い作りのバスルーム。
しかも最新の全自動洗濯機に、乾燥機までついているから驚きである。
まぁ、何にせよ、そんな遊びに適した魅力的な環境故か、誰一人として家に帰るという者はなく、まるで当然のように合宿さながらのお泊まり会の幕は開けた。
ゴールデンウィーク九連休、一日目。
俺を含む全員は近場のコンビニで、食糧を大量に買い込むと早速、海水浴場へと急いだ。
皆が海で泳ぎながら、はしゃぎ回る中、俺は眠気にやられ思わずビーチパラソルの下で眠りこける。
しかし、その軽装な行動を深く後悔する事となった。
目覚めた俺に待っていたのは、油性マジックによる胴体に変な顔落書きの仕打ちだったのである 。
普通、マジックなら風呂で洗い落とせばいいと考えるだろうが、事はそう簡単ではない。
俺が眠りこけている間にビーチパラソルが、取り外されていたが故に、この行為が予想外の参事をもたらしたのだ。
その参事とは日焼けした胴体に、くっきりと残された変顔の跡である。
それは洗ったら、とれるようなモノでは決してなく、そのお陰で俺は次の日より海水浴場でTシャツを脱げないまま過ごす事となった。
そんな平穏とも言える騒がしい日々を過ごす事、数日ーー。
「それにしても不思議よねぇ?
暑いと思ったら壁の色が変わるなんて。」
「何より不思議と涼しく感じるしね?」
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