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「お、おう」
どもってる瀬戸先輩みたいな応答になってしまった。これじゃマズい――先輩には申し訳ないけど。
「俺も悩んでるんだあ……」
「おー……俺も」
船頭多くして船山に上る――そんなことわざが有るけど、船頭がいないと道が決まらない。誰か俺たちに船頭をください。
「お前、名前は?」
「平井雄介。お前は?」
やっと自己紹介を終わらせて、再度パソコンに向き合う。この画面を睨んで十五分くらい経つけど、全く進展する気がしない。
「思ってたこと言っていい?」
「いいよ」
「もうさ、適当に一緒に全部割り当てていかねえ? そんで、席とか一緒に座っとこうぜ?」
俺も同じことを考えていた――ということを伝えるために、俺は平井と固い握手をした。とりあえず、これでボッチは回避したはず。
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