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「おし」
なんらかの結論が瀬戸先輩の中で出たらしい。ごそごそとポケットを漁った後、その手には携帯があった。
「俺とも交換しとくか、連絡先」
「――ええ!?」
「なんかあったら頼れ。アイドルより俺の方が強いし、いざとなったら切り刻んでトイレに流してやる」
――そういう問題!?
す、すげえ。瀬戸先輩の連絡先……っていっても電話番号だけど、たぶんレアだと思う。
「平井もしとくか?」
「え!? いいんすか!?」
「春日だけって不公平だろ」
嬉々として携帯を取り出しながら、平井は小さく「瀬戸先輩マジ神」と呟いていた。とりあえず、男気とか面倒見とかそういう点が溢れかえってる気がする、この先輩。
「あ、瀬戸くん! そこにいたんだ」
歩きながら声を掛けてきたのは白川先輩を筆頭にしたイケメングループ。認識したらしい平井の口は空きっ放しだった。
「やっべ、これはレベルが違うわ」
どこの誰と比べてのことなのか分からないけど、たぶんどこの誰と比べてもレベルは違うんだと思う。
「探してたのか? わりいな」
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