2ndシングル

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若干おぼつかない足取りでフラフラしながら、次の時間の全体講義のある部屋へと向かう。あらかじめ席を取ってくれていた平井が小さく手をひらひらさせた。 「席、さんきゅ」 「お前、大丈夫か?」 どうだった?――じゃなく、大丈夫か? どうやら俺の様子は思った以上にオカシイらしい。平静を装うにも、さっきの今じゃ動悸が収まらないでいるしムリもないか。 「んん、ちょっと面倒なことになった。あんまり、平井には詳しく言わない方が良いかも」 「……気になるじゃん」 「だって……」 できる限り前方で話始めようとする教授だけを視界に入れながら、「アイツ、今どこ見てる?」と小さな声で訊ねる。アイツ、の意味を即座に理解した平井は、一度首をぐるりと回して目当ての人物を見つけたらしい。 「一瞬、俺と目が合った。妙に微笑んでたと思うけど」 「つまり、こっちを見てるわけね」 ……ああ、監視のつもりかよ。 「端的にいうと、イケメングループとの橋渡しを頼まれた。自分と釣り合うヤツじゃなきゃ傍に置きたくないらしい」 「……なんだそりゃ」 「俺も分かんね」
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