3rdシングル

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限りなく幸せそうな白川先輩と不機嫌全開の瀬戸先輩が同じベンチに並んでいる光景は奇妙でしかない。なんだろう……陽だまりと地獄みたいな、そんな感じ。 「白川先輩、なんか良いことあったんスか?」 「えっと、平井くんだったね。うん、あった」 にっこり。こっちが温かくなる笑顔で言ってくれる。その横でガン付けてる人がいるんだけど。 「へ、へー……」 おお、二人の温度差に平井が引いてる。いや、とばっちりを恐れてるって感じかな。 「ヘラヘラしやがって」 ペシペシ肩を叩いている瀬戸先輩を宥めながら、それでも溢れんばかりの幸せを表情に込めて、白川先輩は微笑んでいる。やっぱこの人スゲエわ。 「さて、そろそろ行くとするか……」 座った時と同様にゆっくり立ち上がるのを、まるでエスコートする様に白川先輩がサポートしている。なんだろう、主従関係みたいな、違うような……ダメだ、言葉が見つからない。 ゆっくり去って行った先輩たちが講義のある教室に消えてから、平井と顔を見合わせる。 「白川先輩、彼女ができたら絶対尽くすタイプだよな」 「うん。もう、どろっどろに甘やかしてあげたいって感じが出てる」 はて、俺たちはなんで今の二人を見てそんなことを思ってしまったんだろうか?
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