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スッと先輩のまとっている空気が変わった。もしかして俺、何か地雷踏んだ?
「……瀬戸くん、何かあったの?」
どうやら瀬戸先輩の異変を白川先輩が察知したらしい。興味があるというよりは、どこか心配そうにしている。
「あー……と、白川にゃ言いにくいんだけどよ」
ものすごく考えているような表情に見える。それを何とも言えない様子で見つめながら、言葉を待つ白川先輩はまるで――大切な何かを、見守っているようで。
「なあ、春日」
「え?」
「たぶん、瀬戸先輩はお前を守ろうとしてんじゃないか?」
囁き声で平井が教えてくれた内容は、俺の盲点をついていた。
つまり、瀬戸先輩のことが大好きであろうイケメントリオに羽柴の考えていることを知られればどうなるか。とりあえず羽柴に明日はなくなるし、それ自体は願ったり叶ったりである。では、それに協力した自分はどうなるのか。可能性としては羽柴と同様の未来をたどる可能性も無きにしも非ず――ってこと。
あっぶね、俺死んでんじゃん。
「んー……とな、どうしたもんかな……」
「春日くんと何かあったの?」
流石に白川先輩も見逃してくれないようで、俺と瀬戸先輩を交互に見ている。これは逃げられそうにないな。
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