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「具は何がいいですか?」
「何でも大丈夫ですけど、ツナマヨ以外で…」
「わかりました。ここに座っててくださいね」
亮真は階段で2階に上がり、自分の分と合わせておにぎり4つと念のためサンドイッチとチョコレートと飴を買った。
地元じゃないなと思う。言葉のイントネーションが違った。どこから来た人か知らないが、平日の昼間にこんなところで倒れそうになるまで何をしてるんだろう?
都会から来た自殺志願とかじゃないよな? さっき支えた肩の薄さに、縁起でもない考えが浮かぶ。いやいや、まさか。
階段からホールを見下ろせば、彼はぼんやりと窓の外に目を向けている。なんだか生きている感じがあまりしないような存在感のなさだった。
「お待たせしました。どうぞ、好きなの選んでください」
レジ袋を開いて中を見せると、彼は素直に二つ選んでから亮真に頭を下げた。
「お手間をおかけしました。ありがとうございます」
「いえ、ついでだったんで。これお釣りです」
彼は小銭を受け取らなかった。なんとなくそう言われるような気がしたので、そのかわりチョコレートか飴を選ばせた。彼はもうすこしカロリーを摂ったほうがよさそうだ。
見ると手に持ったコーンスープの缶もまだ開けていない。
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