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「ええ。オンラインゲームのレアキャラで滅多に出てこないらしくて、ゲットするのがすごく難しいって妹が騒いでたんで。グッズもほとんど出ないし、限定だからなかなか買えないって言ってたんですよ」
「へえ、そうなんだ。レアキャラってことになったのか……」
何かもごもごと言って、それからそれを外すと亮真に渡してきた。
「妹さんに」
「え、でも」
手のひらに置かれたキーホルダーと目の前の怪しい男に視線をウロウロさせていると、彼が今までで一番はっきりした声で言った。
「それ、貰い物でとくに欲しかったとかじゃないので、本当にいいんです。こんな親切にしてもらってありがたかったから、お礼にどうぞ」
キャラ名も知らなかったようだから、貰い物と言うのは本当かも知れない。あっさりした態度から見ても、べつに惜しいと思っている様子はなさそうだ。
髪が邪魔で顔はよく見えないが、本気でくれるらしい。
「本当にいいんですか?」
念を押したらためらいなくうなずいたので、亮真はそのキーホルダーを受け取った。
「ありがとうございます。妹が喜びます」
その時、ポケットのスマホが震えた。
「あ、すいません、俺もう行きますね」
「いえ、どうもありがとうございました」
礼儀正しく礼を言う彼にかるく会釈して、亮真はスマホを取り出しながらその場を離れた。
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