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帰宅後、妹にキーホルダーを渡したら、大騒ぎになった。
「ちょっと、お兄ちゃん! すごーい、これどこでゲットしたの?」
飛び跳ねて喜ぶ香織に呆れる。
もう高2なのに、たかがゲームキャラのグッズ一つでそんなに喜ぶとは思わなかった。
「キーホルダーくらいで、そんな大げさな」
亮真が笑ったら、香織は「わかってなーい」と叫んだ。
「だってこれ、渋谷と新宿にしか置いてないガチャガチャ限定のレアものなんだよ? しかもこの全身タイプの「はすみん」は滅多に入ってないってテレビで言ってたもん。オークションで5000円以上つくんだよ?」
え、こんなキーホルダーの人形一つに5000円も出す人いるんだ。まあ、コレクターってそういうもんだろうけど。
人並みにゲームはするが、グッズには興味を持たない亮真にはよくわからない感覚だ。
「おい、オークションなんかに出すなよ」
「出さないよお。ねえ、貰ったって言ったけど、これくれたのって東京の人?」
「よく知らない。地元じゃないのは確かだけど」
言葉のイントネーションから地元じゃないのは分かったが、東京出身かどうかまではわからない。
「知らない?」
香織が不審そうな顔になる。
「じゃあ一体、誰がこんなのくれたの?」
もらった経緯を話すと「人には親切にするもんだね、お兄ちゃんはえらい」と頭を撫でられた。うぜーよ、お前。
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